こんにちは、店長の高岡です。
今年の箱根駅伝をはじめとするロードレースで、NIKE「ヴェイパーフライ Next%」は話題の中心となっていますね。
しかも最近では「世界陸連が使用を禁止する」などのニュースが飛び交い、ワードショーやメディアでも取り上げられています。
そんな注目の的、ヴェイパーフライなんですけれども・・・
高反発ミッドソールにカーボンプレートが挟まっていることによって、シューズはほとんど曲がりません。それによって圧倒的な前進力をサポートしてるわけなんですね。
ただここで、ヴェイパーフライを履いている全てのランナーに耳を傾けていただきたいことがあります。
かのレオナルド・ダ・ヴィンチは僕たち人間の足のことを「足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である」とまで評しているわけですけど、それにはそれなりの理由があるわけです。
僕たちの足部には26個の骨があって、それらが絶妙な関節を形成していますし、そこに付着する靭帯や筋肉、腱膜などによって、僕たちは基本的には、シューズがなくても走れる「足の機能」を有しています(みんな裸足で走れるんですよ)。
しかし、寝たきりになってしまうと筋肉が落ちてしまうのと同じように、僕たちの足の機能も、適切に使わなければ廃れてしまいます(残念なことにw)。
ヴェイパーフライが最高峰にハイスペックな「武器」であることに関しては、もはや誰も疑う余地がないんじゃないでしょうか?(みなさんそれぞれに色んな思いはあれど)。
とはいえ、ヌンチャクも使い方を間違えると自分を傷つけてしまうのと同じように、ヴェイパーフライも「使い手」側のヴェイパーフライリテラシーが要求されるんじゃないかと考えています。
つまりヴェイパーフライの長所と短所を適切に理解して、最適なバランスを舵取りする必要があるんじゃないか?ということです。
そこで・・・
ランニング足袋がヴェイパーフライユーザーに対して果たせる役割を考えてみましょう。。
ランニング足袋はヴェイパーフライとは、完全に真逆の存在です。
ヴェイパーフライは高反発ミッドソールとカーボンプレートによってほとんど屈曲することができないわけですけど、ランニング足袋にはミッドソールというものはなく、アウトソールに5mmの天然ゴムソールが縫い付けてあるだけ。
だから、ぐにゃぐにゃに、色んな方向に曲げることができます。
ということは・・・
僕たちの足にそもそも備わっている「芸術的な関節運動」を邪魔することがないわけです。
それによって、ヴェイパーフライをはじめとする一般的なランニングシューズでは動かすことがない、足部の小さな関節まで動かすことができると考えています。
もちろん、ランニング中、特に速いスピードで走る時は、足部の柔軟性がありすぎるのも問題です。ある程度は足部に剛性がないと、足部のバネが発揮できないんですね。
ここにヴェイパーフライの飛び抜けた優位性があるわけです。足のバネ機能の「拡張ツール」としての優位性ですね。
もちろん、自前の「バネ」だって捨てたものではありませんけれども(僕は裸足や足袋で走りながら自前のバネを鍛えてますw)。
つまり、ミッドソールの反発力やカーボンプレートの剛性によって足部のバネ機能を拡張し、パフォーマンスアップするのが「ヴェイパーフライの長所」。
逆に考えると、ミッドソールの反発力やカーボンプレートの剛性のために足部の柔軟性を放棄しなければいけないわけで。これが、僕が考える「ヴェイパーフライの短所」です。
※足部の柔軟性を放棄しても、分厚いミッドソールが衝撃吸収をしてくれますからね。
そして、ヴェイパーフライを履くことによって動かせなかった足部の小さな関節を柔軟にし、リカバリーの役割を果たすのが「ランニング足袋や裸足」。ヴェイパーフライの短所を補完できるのではないかと考えています。
ヴェイパーフライに限らず、ハイスペックなシューズはこれからも僕たちの身近な存在であり続けるはずです。
だからこそシューズを上手に履きわけて、快適なランニングライフを満喫しましょう!